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大規模修繕は何年ごとに必要?管理組合が年数だけで決めにくい理由

こんにちは。MRCの平松です。

管理組合の方とお話ししていると、かなり早い段階で出てくるのが
「大規模修繕って、何年ごとにやるものなんですか?」
という質問です。

これはとても自然な疑問だと思います。

長期修繕計画を見ると、ある程度の周期で工事が並んでいます。
周りのマンションの話を聞いても、12年とか15年とか、いろいろな数字が出てきます。
そうすると、何となく「何年ごと」という答えがあるように感じやすいです。

ただ、実際にはそこまで単純ではありません。

もちろん目安になる年数はあります。
でも、大規模修繕は年数だけで決めると少し危ういことがあります。
建物の状態、前回工事の内容、設備の状況、修繕積立金の見通しによって、考え方が変わるからです。

そのため、理事会では
「築何年だからやる」
だけで決めるのではなく、
「今の建物にとって、どの段階にあるのか」
を見ながら判断していくことが大事になります。

今回は、大規模修繕は何年ごとに必要と考えればいいのか、管理組合が年数だけで決めにくい理由、理事会でどこを見ながら整理すると話しやすいのかをまとめてみたいと思います。

何年ごとかは気になるけれど、それだけでは決めきれない

大規模修繕の話になると、まず年数を知りたくなるのは当然です。

理事会としても、何か目安がほしいですし、住民の皆さんに説明するときも
「一般的にはこのくらいです」
という話ができる方が安心しやすいです。

ただ、ここで気をつけたいのは、年数はあくまで入口であって、答えそのものではないということです。

たとえば同じ築年数でも、

前回工事の内容が違う
日常の維持管理の状況が違う
劣化の出方が違う
設備更新の考え方が違う

といったことがあります。

そのため、築12年だから必ずやる、築15年だからまだ大丈夫、というように、年数だけで線を引くのは難しいです。

よく言われる年数は、あくまで目安として見る

大規模修繕の周期としては、一般的に12年前後という数字がよく出てきます。
長期修繕計画でも、そのあたりを目安に置いているケースは多いです。

ただ、ここで大事なのは、その年数が「必ずその年に工事をしなければならない」という意味ではないことです。

むしろ実務では、

その頃に一度しっかり建物を見直したい
劣化状況を確認したい
計画と現状のずれを確認したい

という意味合いで考える方が現実に近いです。

つまり、12年という数字はゴールではなく、確認のタイミングと考えた方が分かりやすいです。

年数だけで決めると、今の建物状態が抜けやすい

理事会で年数の話だけをしていると、建物の今の状態が後ろに回りやすくなります。

でも、本当に大事なのは今の建物がどうなっているかです。

外壁にどのくらい劣化が出ているのか。
防水はどういう状態なのか。
シーリングはどこまで傷んでいるのか。
共用部や設備にどんな変化があるのか。

こうしたことが見えていないまま年数だけで話を進めると、必要以上に急ぎすぎたり、逆に少し先送りしすぎたりすることがあります。

年数は整理のきっかけにはなります。
ただ、最終的には建物を見ながら判断する方が、理事会としては納得しやすいです。

前回工事の内容で考え方はかなり変わる

もう一つ大きいのが、前回工事の中身です。

たとえば前回の大規模修繕で、

どこまで外壁補修をしたのか。
防水は更新だったのか、延命的な対応だったのか。
シーリングは全面打ち替えだったのか。
設備更新はどこまで進んでいるのか。

このあたりが違うだけで、次の大規模修繕の考え方はかなり変わります。

前回かなりしっかり工事をしているのか。
それとも今回は前回の続きとして考えた方がいいのか。
そこが見えないと、単純に築年数だけでは判断しにくいです。

つまり、何年ごとに必要かを考えるときも、
「前回から何年」
だけではなく、
「前回に何をしたか」
まで一緒に見た方が整理しやすくなります。

大規模修繕は一回ごとに役割が少し違う

ここは意外と見落としやすいところです。

大規模修繕というと、毎回同じような工事をするイメージを持たれることがあります。
でも実際には、回ごとに役割が少し違うことがあります。

一回目は外壁や防水が中心。
二回目になると設備更新も視野に入る。
三回目では、さらに将来の維持管理の考え方も重くなる。

こういうことがあります。

そのため、何年ごとかを考えるときも、
「同じ工事を繰り返す」というより、
「その時期の建物に必要な整理をする」
という見方の方が現実に近いです。

修繕積立金の状況も無関係ではない

本来、大規模修繕は建物の状態を見て考えるべきです。
ただ、実際の理事会では修繕積立金の状況も無視できません。

今の積立金でどこまで考えられるのか。
設備更新まで見込むとどうなるのか。
今やるべき範囲をどこまでにするのか。

こうしたことが入ってくるので、年数だけで決めるわけにはいかなくなります。

ここで注意したいのは、積立金の都合だけで工事時期を考えるのではなく、
建物の状態と資金の見通しを並べて見ることです。

理事会が難しく感じるのは、まさにここだと思います。
年数、建物、前回工事、積立金。
これらを一緒に見ないと判断しにくいからです。

住民説明では「何年ごと」だけでは弱い

住民の皆さんに説明するときも、
「一般的にはこのくらいです」
だけでは少し弱いことがあります。

なぜなら、住民の皆さんが知りたいのは、一般論より
「うちのマンションはどうなのか」
だからです。

そのため住民説明では、

築年数としてはこの段階に来ている
前回工事からこれだけたっている
今の建物状態としてはこういう点が見えている
だから今回こう考えている

という流れで話した方が伝わりやすいです。

大規模修繕の周期は、数字だけで言うより、建物の流れの中で説明した方が納得されやすいです。

先送りも前倒しも、理由が必要になる

理事会で迷いやすいのは、まだ少し早いのではないかという感覚と、そろそろ動いた方がいいのではないかという感覚がぶつかるときです。

たとえば、

年数としては目安に近い
でも劣化はそこまで深刻に見えない
一方で設備更新もそろそろ気になる
積立金との関係も見ておきたい

こういうときは、前倒しも先送りも、どちらも理由が必要になります。

だからこそ、
「何年ごとだから」
だけではなく、
「なぜ今このタイミングで考えるのか」
を理事会の中で整理しておくことが大事です。

まずは「工事をやる年」を決めるより「確認を始める年」を意識する

理事会で話しやすくするには、いきなり
「何年目に工事をやるか」
を決めるより、
「何年目くらいから確認を始めるか」
と考えた方が整理しやすいです。

たとえば、

長期修繕計画を見直す
建物の状態を確認する
前回工事の履歴を整理する
積立金の見通しを見直す

こうしたことを始めるタイミングとして年数を見るわけです。

そうすると、年数は少し使いやすい目安になります。
工事を無理に決める数字ではなく、準備を始める合図として使えるからです。

よくある質問(Q&A)

大規模修繕は何年ごとに必要ですか?

一般的には12年前後が目安として出てくることが多いです。
ただし、実際には建物の状態や前回工事の内容によって考え方が変わるので、年数だけで決めるのは難しいです。

築年数だけで判断してもいいですか?

それだけでは足りないことが多いです。
今の建物状態、前回工事の内容、設備更新の状況、積立金の見通しも一緒に見た方が整理しやすいです。

理事会では何から考えればいいですか?

まずは工事の年を断定するより、長期修繕計画の見直しや建物確認を始めるタイミングとして考えると進めやすいです。

まとめ

大規模修繕は何年ごとに必要か、という問いには目安になる年数はあります。
ただ、その数字だけで決めるのは少し難しいです。

本当に大事なのは、築年数だけではなく、今の建物状態、前回工事の内容、設備更新の状況、修繕積立金の見通しを合わせて見ることです。

理事会としては、
「何年ごとにやるか」
をいきなり決めるより、
「何年目くらいから確認と準備を始めるか」
と考えた方が現実に合っています。

大規模修繕は、数字だけで動くものではありません。
だからこそ、年数は目安として使いながら、その時の建物に合った判断をしていくことが大切です。

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