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大規模修繕を管理会社任せにしてよい?管理組合が考えておきたいこと

こんにちは。MRCの平松です。

管理組合の方とお話ししていると、大規模修繕の話が出始めたときに、かなり早い段階で出てくるのが
「管理会社に任せて進めても大丈夫でしょうか」
という質問です。

これはとても自然な疑問だと思います。

普段から管理会社とやり取りをしている。
建物のこともある程度分かっている。
理事会との連絡も取れている。
そう考えると、大規模修繕の話もそのままお願いした方が楽に見えます。

実際、管理会社は日常管理の中で建物を見ていますし、理事会との接点もあります。
そのため、相談相手として最初に名前が出るのはごく自然です。

ただ一方で、大規模修繕は日常管理の延長だけでは整理しにくい部分もあります。
工事範囲の考え方、見積比較、施工会社との距離感、住民説明、合意形成など、少し性質の違うテーマが重なってくるからです。

そのため、「管理会社に相談すること」と「管理会社任せで進めること」は、少し分けて考えた方がいいです。

今回は、大規模修繕を管理会社任せにしてよいのか、管理組合としてどこを整理しておきたいのか、理事会で見落としやすいポイントは何かをまとめてみたいと思います。

管理会社に相談すること自体は自然な流れ

最初にここは分けておきたいです。

大規模修繕について、管理会社に相談すること自体はまったく不自然ではありません。
むしろ、多くの管理組合ではそこが最初の入口になりやすいです。

建物の基本情報も共有されている。
理事会の事情もある程度分かっている。
過去の工事履歴に触れていることもある。
日常の不具合対応を通して、建物の変化に気づいていることもある。

そう考えると、管理会社に
「そろそろ大規模修繕の時期でしょうか」
「どこから整理したらよいでしょうか」
と聞くのは自然です。

問題になるのは、そこから先の進め方です。
相談相手としての管理会社と、判断そのものを預ける相手としての管理会社は、少し意味が違います。

任せると楽に見えるのは当然

理事会の立場から見ると、管理会社に大規模修繕の話をまとめてもらえるなら、その方が助かるように感じることがあります。

理事会は普段の運営だけでもやることが多いです。
総会準備、日常の管理、設備の不具合、居住者対応。
そこに大規模修繕まで入ってくると、かなり情報量が増えます。

そのため、

資料をまとめてもらえるならありがたい
話を整理してもらえるなら助かる
工事会社とのやり取りも任せられるなら安心

と感じるのは当然です。

ただ、ここで気をつけたいのは、楽に見えることと、管理組合にとって整理しやすいことは同じではない、という点です。

大規模修繕は日常管理とは少し性質が違う

管理会社は、日常管理ではとても大事な存在です。
ただ、大規模修繕になると、いつもの管理業務とは少し違う整理が必要になります。

たとえば、

今回どこまで工事範囲に入れるのか
どの仕様で考えるのか
見積の前提をどうそろえるのか
施工会社をどう比較するのか
住民説明をどう組み立てるのか

こうしたことは、単なる日常管理より、工事計画や合意形成に近いテーマです。

ここが大規模修繕を難しくしているところでもあります。
管理会社が悪いという話ではなく、役割の重なり方を整理しないと、理事会として見えにくくなることがある、ということです。

管理会社の提案がそのまま管理組合の答えになるとは限らない

理事会で気をつけたいのは、管理会社から提案が出てきたときに、それがそのまま管理組合の結論になるとは限らないことです。

提案はもちろん大切です。
資料を整えるうえでも助かることは多いです。
ただ、理事会としては、

なぜその工事範囲なのか
なぜその時期なのか
なぜその会社なのか
ほかの考え方はないのか

を見ていく必要があります。

ここを見ないまま進むと、後から住民説明の段階で
「なぜその判断なのですか」
と聞かれたときに、理事会として答えにくくなることがあります。

大事なのは、提案を受けることではなく、提案の意味を理事会で説明できる状態にすることです。

見積比較が弱くなりやすいことがある

大規模修繕で管理会社任せにすることの中で、特に注意したいのが見積比較です。

理事会としては、複数の見積を比べて、内容や金額、工事範囲の違いを見たいはずです。
でも、前提の整理が弱いと、比較そのものが難しくなることがあります。

たとえば、

見積条件がそろっていない
工事項目の考え方が違う
仕様の水準が違う
金額差の理由が見えにくい

こういう状態です。

これでは、理事会として比較しているつもりでも、実際には比べにくい資料を見ていることがあります。
管理会社が用意した見積だから大丈夫、ではなく、理事会として比較しやすい形になっているかを見ることが大事です。

施工会社との距離感が見えにくくなることがある

住民説明で気にされやすいのが、公平性の話です。

管理会社が中心になって施工会社を紹介し、資料もまとめ、話も進めていくと、理事会の中ではスムーズに見えることがあります。
ただ、住民の皆さんから見ると、

どういう基準で選んでいるのか
比較の幅は十分なのか
最初からある程度決まっていたのではないか

という不安が出ることがあります。

これは、何か問題があるという意味ではなく、見え方の問題です。
だからこそ、管理会社任せで進めるならなおさら、理事会として比較の考え方や選定の流れを整理しておいた方がよいです。

理事会が「聞く側」だけになると後で苦しくなる

管理会社が大規模修繕の話をリードしてくれると、理事会としては説明を聞きながら進められるので、一見すると楽です。

ただ、その形が続きすぎると、理事会が少しずつ「判断する側」より「説明を聞く側」に寄りやすくなります。

そうなると、

前回との違いは何か
今回の優先順位はどう考えるのか
住民説明では何をどう話すのか

このあたりを、自分たちの言葉で整理しにくくなります。

大規模修繕は、最後には理事会や管理組合として説明する必要があります。
だからこそ、途中の段階で理事会が受け身になりすぎないことが大事です。

管理会社との役割分担が見えると進めやすい

管理会社に相談するのが悪いわけではありません。
むしろ、うまく役割分担できるとかなり進めやすくなります。

たとえば、

管理会社は日常管理の情報を整理する
理事会は管理組合としての考え方を整理する
必要に応じて専門家の意見も入れる
住民説明は理事会が主体的に考える

こうした形です。

要するに、管理会社を使わないのではなく、どこを頼り、どこを理事会で押さえるかを見えるようにしておくことが大事です。

住民説明で一番困るのは「なぜそうしたのか」が言えないこと

大規模修繕を管理会社任せにして後から苦しくなりやすいのは、住民説明の場面です。

住民の皆さんからは、

なぜこの工事範囲なのか
なぜこの会社なのか
なぜこの金額なのか
なぜ今なのか

と聞かれることがあります。

そのときに、

管理会社からそう言われたので
提案がそうだったので
いつもの流れでそうなったので

という形だと、理事会として少し弱くなります。

理事会が全部を自力で決める必要はありません。
でも、少なくとも「なぜその方向で考えたのか」は説明できるようにしておくことが大切です。

管理会社任せが向いていないというより、丸ごと預けるのが難しい

ここは言い方を少し丁寧にしたいところです。

大規模修繕で管理会社が関わること自体は自然ですし、役立つ場面も多いです。
ただ、管理会社任せという形で、理事会の整理や比較や説明まで全部を預けると、後で見えにくい部分が出やすくなります。

だから、向いていないというより、丸ごと預ける形にすると理事会が後で困りやすいという方が近いと思います。

こういう管理組合ほど一度立ち止まって考えたい

特に次のような管理組合では、進め方を少し整理してから動いた方が安心です。

大規模修繕が初めてに近い
理事の任期が短い
見積比較の考え方がまだ見えていない
住民説明を丁寧にしたい
工事範囲や仕様をどこまで広げるか迷っている

こういう状況では、管理会社に相談しながらも、理事会としてどこを押さえるかを見えるようにしておく方が進めやすいです。

よくある質問(Q&A)

大規模修繕を管理会社に相談するのは問題ないですか?

問題ありません。
むしろ最初の相談相手として自然です。
ただ、そのまま全部を預けるのではなく、理事会として比較や判断の考え方を整理することが大切です。

管理会社任せにすると何が一番困りますか?

後から住民説明で、なぜその工事範囲や会社になったのかを理事会として説明しにくくなることがあります。

理事会はどこを押さえておけばいいですか?

工事範囲、仕様、見積比較の前提、選定の流れ。この4つが理事会の中で見えているとかなり進めやすくなります。

まとめ

大規模修繕を管理会社に相談すること自体は自然ですし、助かる場面も多いです。
ただ、管理会社任せで丸ごと進める形にすると、理事会として見えにくくなる部分が出やすくなります。

特に、工事範囲、仕様、見積比較、施工会社の選定理由は、後から住民説明にもつながる大事なところです。
そこが理事会の中で整理されていないと、後で少し苦しくなります。

大切なのは、管理会社を使わないことではありません。
管理会社に相談しながらも、管理組合として何を見て、どう考えて、なぜその方向に進むのかを説明できる状態にしておくことです。
そこが整うと、大規模修繕の進め方はかなり落ち着いてきます。

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