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大規模修繕の予算オーバーを防ぐには?管理組合が先に見ておきたいこと

こんにちは。MRCの平松です。

管理組合の方とお話ししていると、大規模修繕の検討が進んできた段階で、かなり気になりやすいのが
「予算をオーバーしないか心配です」
という声です。

これは当然のことだと思います。

大規模修繕は金額が大きいですし、理事会としても住民の皆さんに説明しなければいけません。
しかも、最初に見ていた金額と、最終的に必要になる金額が少しずつずれていくこともあります。

見積を取ってみたら想定より高かった。
補修数量が増えてきた。
仕様を整理していくうちに必要な工事項目が増えた。
物価や工事単価の影響もあった。

こういうことが重なると、理事会の中でも
「どこまでを予算内で考えるべきか」
「何を優先して、何を次回に回すのか」
という話が急に重たくなります。

ただ、予算オーバーというのは、最後に突然起きる話というより、途中の整理の仕方でかなり見え方が変わるものでもあります。

今回は、大規模修繕で予算オーバーが起こりやすいのはどういうときか、管理組合として先にどこを見ておくと少し防ぎやすいのかをまとめてみたいと思います。

予算オーバーは「工事が高いから」だけでは起きない

予算オーバーというと、どうしても
「施工会社の見積が高かった」
という話に見えやすいです。

もちろん、それも一つの要因ではあります。
ただ、実際にはそれだけではありません。

たとえば、

そもそもの予算設定が少し古い
長期修繕計画の単価が今の状況に合っていない
工事項目の整理が途中で広がった
想定していなかった補修が出てきた
見積比較の前提条件がそろっていなかった

こうしたことでも、理事会の中では
「予算を超えそうだ」
という状況になりやすいです。

つまり、予算オーバーは単なる金額の問題ではなく、整理の積み重ねの問題でもあります。

最初の予算感が曖昧だと後で苦しくなりやすい

理事会で予算オーバーが起きやすい大きな理由の一つが、最初の予算感が少し曖昧なまま進むことです。

たとえば、

長期修繕計画の金額をそのまま見ていた
前回工事の印象で何となく考えていた
住民説明ではまだざっくりした数字だけを共有していた

こういう状態だと、後から現実の見積が出てきたときに差が大きく感じられます。

長期修繕計画の数字は大切です。
ただ、それが作成当時の単価や想定に基づいているなら、今の工事費とはずれることがあります。

だからこそ、理事会としては早い段階で
「今の工事費水準で見ると、どのくらいの幅がありそうか」
を少し意識しておいた方が進めやすいです。

工事項目が増えると、想定以上にふくらみやすい

大規模修繕の予算がふくらむときに多いのが、工事項目が少しずつ増えていくことです。

最初は外壁、防水、シーリングくらいで考えていた。
でも整理していくうちに、

共用部の鉄部塗装も必要かもしれない
屋上の設備まわりも気になる
共用廊下や階段も整えたい
住民から要望が出てきた
設備更新も少し見た方がよいかもしれない

という形で広がっていくことがあります。

一つひとつは自然な話です。
どれも必要に見えることがあります。
ただ、こうした項目を足していくと、全体の予算は思っている以上に動きやすくなります。

理事会としては、項目を増やすこと自体が悪いのではなく、
「今回の工事範囲に本当に入れるのか」
をその都度整理することが大事です。

補修数量は後から動くことがある

予算オーバーの話で見落としやすいのが、補修数量です。

たとえば、外壁補修や下地補修は、調査段階ではある程度の想定で見ていても、実際に工事に近づくと数量が変わることがあります。

これは珍しいことではありません。
建物の状態をより詳しく見ていくと、最初の想定より手を入れたい箇所が増えることがあるからです。

そのため、理事会としては
「最初の数量がそのまま確定ではない」
という感覚を持っておいた方がよいです。

ここを固定の数字として見てしまうと、後から増えたときに
「急に予算が膨らんだ」
という印象になりやすいです。

見積比較の前提がそろっていないと判断しにくい

予算オーバーを防ぐうえで大事なのは、見積比較の前提がそろっていることです。

もし各社の見積が

工事範囲も違う
補修数量の考え方も違う
仕様も違う
仮設工事の考え方も違う

という状態なら、理事会としては本当に高いのか、前提が違うだけなのかが分かりにくくなります。

その結果、比較の精度が下がります。
そして、後から
「この項目は別途必要でした」
「この仕様だと追加になります」
という話が出てくると、予算オーバーのように見えやすくなります。

つまり、予算を抑えるには金額だけ見るのではなく、比較の前提をそろえることがかなり重要です。

安く見える見積が結果的に高くつくこともある

理事会としては、当然ながら見積金額は気になります。
できるだけ無理のない範囲で進めたいのは自然です。

ただ、ここで気をつけたいのは、最初に安く見える見積が、そのまま管理組合にとって有利とは限らないことです。

たとえば、

補修数量を少なめに見ている
必要な工事項目が一部入っていない
仕様を少し抑えている
追加対応が出やすい組み方になっている

ということもあります。

もちろん一概には言えませんが、理事会としては
「安い理由が何なのか」
を見ないと、後から予算が動きやすくなります。

予算オーバーを防ぐには、安い見積を探すことより、金額の背景を見ておく方が大切です。

住民要望をどこまで入れるかも整理が必要

大規模修繕では、住民の皆さんからいろいろな要望が出てくることがあります。

見た目も整えたい。
共用部を少し良くしたい。
使い勝手も改善したい。
この機会にできることはやってほしい。

こうした意見は自然です。
理事会としても、できるだけ応えたい気持ちは出てきます。

ただ、ここで全部を工事範囲に入れていくと、予算はかなり動きます。
だからといって、全部を切ってしまうと住民説明で苦しくなることもあります。

大事なのは、住民要望を
今回の必須項目
予算に余裕があれば検討したい項目
今後の課題として残す項目

のように分けて見ることです。
この整理があると、予算の話もしやすくなります。

予備費や幅を見ておく考え方も必要

理事会としては、できるだけはっきりした数字で進めたいです。
ただ、大規模修繕では途中で動く要素もあるので、最初からぴったりの金額だけで考えると少し苦しくなることがあります。

そのため、ある程度の幅を持って見ておく考え方は大切です。

たとえば、

想定の中心となる金額
少し増える可能性を見た幅
追加補修が出た場合の考え方

こうしたことを理事会の中で共有しておくと、後から数字が動いたときにも少し整理しやすくなります。

予算オーバーを完全になくすというより、
「どこまでを想定内として見るか」
を決めておく感じに近いかもしれません。

長期修繕計画とのつながりを見ておくと判断しやすい

今回の工事だけを単独で見ると、どうしても
「今の予算内に入るか」
の話に寄りやすいです。

でも、長期修繕計画とのつながりを見ておくと、判断は少し変わります。

今回少し広めに対応した方が、次の修繕が安定するのか。
逆に、今回は最低限にとどめて次回に回した方が現実的なのか。
設備更新との関係で今の予算をどう見るべきなのか。

こうしたことを考えるには、今回の工事だけではなく、この先の修繕の流れと並べて見た方が整理しやすいです。

予算オーバーを防ぐというのは、目の前の金額を削ることではなく、長い流れの中で無理のない判断をすることでもあります。

住民説明では「なぜこの予算なのか」が大事になる

予算の話は、住民説明になるとさらに慎重になります。

住民の皆さんが知りたいのは、単に総額だけではありません。

なぜこの金額なのか。
何を入れて、何を入れていないのか。
なぜ今回はこの範囲なのか。
今後の見通しとどうつながるのか。

このあたりが整理されていないと、理事会としても説明しにくくなります。

だから、予算オーバーを防ぐためには、理事会の中だけで数字を合わせるのではなく、あとで説明できる形にしておくこともかなり大切です。

よくある質問(Q&A)

大規模修繕で予算オーバーはよくあるのですか?

起こることはあります。
ただし、急に起きるというより、工事項目の増加、補修数量の変動、見積前提の違いなどが重なって見えてくることが多いです。

予算オーバーを防ぐには何を一番気をつければいいですか?

最初の予算感を早めに整理することと、見積比較の前提をそろえることです。
金額だけで判断しないことも大事です。

住民要望はどこまで入れるべきですか?

必要性の高いものと、今後の課題として残すものを分けて見る方が整理しやすいです。
全部を一度に入れると、予算が動きやすくなります。

まとめ

大規模修繕の予算オーバーは、単に工事費が高いから起きるわけではありません。
最初の予算感、工事項目の広がり、補修数量の変化、見積比較の前提、住民要望の扱い。こうしたことが少しずつ重なって見えてくることが多いです。

そのため、理事会としては
「最後に数字が合うかどうか」
だけで見るより、途中の整理の仕方を意識した方が進めやすくなります。

予算オーバーを防ぐには、削ることだけを考えるのではなく、
今回どこまでやるのか
何を優先するのか
この先の修繕計画とどうつながるのか
を見ながら、無理のない範囲を整理していくことが大切です。

そこが見えてくると、予算の話も少し現実的に進めやすくなります。

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