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大規模修繕のスケジュールはどのくらい?管理組合が早めに知っておきたい流れ
こんにちは。MRCの平松です。
管理組合の方とお話ししていると、大規模修繕の検討が少し具体的になってきた段階で、かなり気にされやすいのが
「全体でどのくらいかかるのですか?」
という質問です。
これもとても自然な疑問だと思います。
工事そのものは何か月なのか。
その前の準備はどれくらい必要なのか。
住民説明はいつ頃から始めるのか。
総会のタイミングとどう合わせるのか。
こうしたことが見えていないと、理事会の中でも進め方をイメージしにくくなります。
しかも、大規模修繕のスケジュールは、工事期間だけを見てもあまり意味がありません。
実際には、その前の調査、方針整理、見積比較、住民説明、合意形成まで含めて考えないと、管理組合としては動きづらいからです。
そのため、理事会で本当に知りたいのは
「工事は何か月ですか」
だけではなく、
「準備から終わりまで、どんな流れでどのくらいかかるのか」
だと思います。
今回は、大規模修繕のスケジュールはどのくらいと考えればよいのか、管理組合が早めに見ておきたい流れ、途中で遅れやすいポイントなどをまとめてみたいと思います。
大規模修繕は「工事期間」だけでは見えにくい
大規模修繕というと、足場がかかって工事をしている期間を思い浮かべやすいです。
たしかに、住民の皆さんにとって一番実感しやすいのはその期間だと思います。
ただ、理事会として考えると、大規模修繕はその前からかなり始まっています。
建物の状態を確認する。
長期修繕計画との関係を見る。
工事範囲の考え方を整理する。
見積を比較する。
住民説明をする。
総会で合意形成を進める。
このあたりまで入ってくるので、工事期間だけを見ていると、全体の動きがつかみにくくなります。
理事会がスケジュールでつまずきやすいのは、工事の長さより、準備の長さが見えにくいからかもしれません。
まずは全体像をざっくり持っておくと進めやすい
大規模修繕のスケジュールは、マンションの規模や進め方で変わります。
ただ、理事会としては、最初に大まかな全体像を持っておくだけでもかなり違います。
たとえば、
準備期間
比較・検討期間
住民説明と合意形成
工事期間
工事後の確認
この流れで見ておくと、理事会の中でも話しやすくなります。
いきなり細かい日程まで決めようとすると重たくなります。
でも、まずは
「どの段階があって、どこに時間がかかりやすいのか」
が見えているだけでも、進め方の印象はかなり変わります。
大まかな流れを表で見るとこんな感じ
ここでは、一般的な管理組合の進め方として、かなりざっくりした流れを表で整理します。
| 段階 | 主な内容 | 目安の期間 | 理事会で意識したいこと |
|---|---|---|---|
| 事前整理 | 長期修繕計画の確認、前回工事の履歴確認、建物状況の把握 | 1〜3か月 | 今どこまで情報があるかを確認する |
| 調査・方針整理 | 建物診断、工事範囲や進め方の整理 | 1〜2か月 | 何を今回の工事対象にするか考える |
| 見積取得・比較 | 相見積もり、仕様比較、金額比較 | 1〜3か月 | 条件をそろえて比較する |
| 住民説明・合意形成 | 理事会整理、説明会、総会対応 | 1〜3か月 | なぜその方針かを説明できるようにする |
| 工事準備 | 契約、工程確認、住民周知 | 1か月前後 | 工事前の周知を丁寧に行う |
| 工事期間 | 足場設置、補修、防水、塗装など | 3〜6か月程度 | 工事中の生活影響と進捗管理を見る |
| 工事後確認 | 完了確認、是正確認、引渡し | 1か月前後 | 工事が終わった後の確認を丁寧にする |
もちろん、建物規模が大きい場合や、理事会の検討に時間をかける場合は、ここより長くなることもあります。
ただ、準備から見れば、思っているより長いと感じる管理組合は多いです。
工事そのものは数か月でも、その前が意外と長い
理事会でよくあるのは、工事そのものの期間だけを見て
「半年もあれば終わるのでは」
という感覚になることです。
でも実際には、その前の整理にかなり時間がかかります。
建物を確認する。
資料をそろえる。
見積条件を整える。
比較する。
住民説明する。
必要なら総会も通す。
こうしたことを考えると、理事会の実感より少し長くかかることがあります。
特に、理事会の中でまだ前提がそろっていない段階だと、準備の方で時間がかかりやすいです。
一番読みにくいのは「比較と整理」の時期
スケジュールの中で、期間が読みやすいのは工事です。
足場をかけて、工事をして、解体して終える。ここは比較的見えやすいです。
一方で、読みにくいのはその前です。
特に、
何を工事範囲に入れるか
仕様をどう考えるか
何社で比較するか
住民説明をどう組み立てるか
このあたりは、理事会の状況によってかなり変わります。
つまり、スケジュールを遅らせやすいのは工事現場だけではなく、理事会の中の整理でもある、ということです。
住民説明の時間を短く見ない方がいい
理事会として意外と見落としやすいのが、住民説明に必要な時間です。
工事内容や見積比較がある程度まとまってくると、理事会の中では
「もうかなり進んでいる」
という感覚になることがあります。
ただ、住民の皆さんにとってはそこがスタートに近いこともあります。
そのため、
なぜ今なのか
どこまで工事するのか
費用はどう考えるのか
生活への影響はどのくらいか
を伝える時間が必要になります。
ここを短く見てしまうと、理事会では準備できていたつもりでも、住民説明の段階で少し詰まりやすくなります。
総会の時期もかなり影響する
大規模修繕のスケジュールは、工事の季節だけではなく、総会のタイミングにもかなり影響されます。
たとえば、
通常総会でどこまで決めたいのか
臨時総会が必要になるのか
住民説明を総会前にどこまで行うのか
このあたりで動き方が変わってきます。
理事会としては、工事そのものだけでなく、総会に向けてどの段階まで整理するかを見ておくと、全体の流れがつかみやすくなります。
足場をかける時期だけで決めると少し危うい
大規模修繕の時期を考えるとき、どうしても
「暑すぎる時期は避けたい」
「年末年始は避けたい」
「梅雨はどうか」
といった工事時期の話に目が向きます。
もちろん、そこは大事です。
ただ、工事時期だけで逆算すると、理事会の整理や住民説明の時間が足りなくなることがあります。
たとえば
「秋に工事を始めたい」
と思っても、その前に見積比較や住民説明が間に合わなければ、現実には動きません。
そのため、工事開始時期を決めるときも、その前の整理期間を含めて考えることが大切です。
スケジュールが延びやすい場面
大規模修繕のスケジュールが延びやすいのは、たとえば次のような場面です。
理事会の中で方針がまだそろっていない
見積の前提条件がそろっていない
住民説明で質問が多く出た
工事範囲の見直しが入った
追加調査が必要になった
このあたりは、どれも珍しいことではありません。
だからこそ、理事会としては
「順調にいけばこのくらい」
だけでなく、少し余裕を持った見方をした方が進めやすいです。
早く動くことより、早めに整理を始めることが大事
スケジュールの話になると、どうしても
「できるだけ早く進めるべきか」
という話になりやすいです。
もちろん、必要以上に先送りしないことは大切です。
ただ、大規模修繕は急いで決めればよいというものでもありません。
むしろ大事なのは、
早く工事を始めることより、早めに整理を始めること
だと思います。
建物を確認する。
前回工事との関係を見る。
住民説明のポイントを整理する。
こうした準備を少し前から始めておくと、結果として全体の進み方が落ち着きやすくなります。
理事会では「今どの段階か」を共有すると進めやすい
大規模修繕のスケジュールで理事会が混乱しやすいのは、今どの段階の話をしているのかが見えにくくなるときです。
今は建物確認の段階なのか。
方針整理の段階なのか。
見積比較の段階なのか。
住民説明準備の段階なのか。
ここが共有できているだけで、理事会の中でも話しやすさがかなり違います。
スケジュールは日付だけを並べるものではなく、今の位置を確認するためのものでもあります。
よくある質問(Q&A)
大規模修繕は全部でどのくらいかかりますか?
工事そのものは3〜6か月程度で見ることが多いですが、その前の準備や住民説明まで含めると、全体ではもっと長く見る方が現実に合います。
一番時間がかかるのはどこですか?
工事前の整理です。
特に、工事範囲の考え方、見積比較、住民説明の準備は理事会の状況によって時間が動きやすいです。
理事会では何から考えればいいですか?
いきなり工事日程を決めるより、まずは今どの段階にいて、次に何を整理するべきかを見えるようにする方が進めやすいです。
まとめ
大規模修繕のスケジュールは、工事期間だけで考えると少し見えにくくなります。
実際には、その前の調査、方針整理、見積比較、住民説明、総会対応まで含めて考える必要があります。
理事会としては、まず全体の流れをざっくり持っておくことが大切です。
そのうえで、今どの段階にいて、次に何を整理するかが見えていると、かなり進めやすくなります。
大規模修繕は、急いで決めることより、早めに準備を始めることの方が大事です。
そこが見えてくると、スケジュールの話も少し現実的に整理しやすくなります。
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