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大規模修繕でアンケートは必要?住民の声を集める意味と注意点

こんにちは。MRCの平松です。

管理組合の方とお話ししていると、大規模修繕の準備が進み始めたあたりで、よく出てくるのが
「アンケートって取った方がいいですか?」
という相談です。

理事会の中では、建物診断、長期修繕計画、見積比較、施工会社のことなど、どうしても専門的な話が中心になります。
ただ、実際に工事の影響を受けるのは住民の皆さんです。

そう考えると、住民の声をまったく聞かずに進めるのも不安ですし、逆に何でもアンケートにかけるのも少し違う気がする。
このあたりで迷う管理組合は多いです。

実際、アンケートは使い方によってかなり役立ちます。
ただし、目的が曖昧なまま実施すると、かえって理事会が整理しにくくなることもあります。

今回は、大規模修繕でアンケートは必要なのか、どんな場面で役立つのか、逆に気をつけたいことは何かをまとめてみたいと思います。

アンケートは「賛成か反対か」を取るためだけのものではない

アンケートというと、つい
賛成か反対か
やってほしいか、やってほしくないか
を聞くものだと思われやすいです。

でも、大規模修繕でのアンケートは、それだけではありません。

むしろ大事なのは、

住民がどこを気にしているか
どんな不安があるか
どの説明が足りていないか
生活への影響として何が心配か

を見つけることです。

理事会としては工事内容を整理しているつもりでも、住民の皆さんは別のところで引っかかっていることがあります。
そこを知るために、アンケートはかなり役立ちます。

アンケートを取る意味は「住民の声を全部そのまま採用すること」ではない

ここは最初に整理しておいた方がいいところです。

アンケートを実施すると、いろいろな意見が出てきます。
中には工事に直接関係ないことや、今回の修繕では扱いにくい要望も出てきます。

だからといって、アンケートが意味のないものになるわけではありません。

大事なのは、住民の声を全部そのまま工事内容に反映することではなく、
「どこに関心が集まっているか」
「何が不安になりやすいか」
を把握することです。

理事会の役割は、出てきた声をそのまま並べることではなく、整理して、今回の工事とどう関係するかを見ることだと思います。

アンケートが役立ちやすい場面

大規模修繕でアンケートが役立ちやすいのは、たとえば次のような場面です。

工事前の住民不安を把握したいとき
共用部の使い勝手や気になる点を知りたいとき
生活影響への心配を事前に見ておきたいとき
理事会と住民の認識のズレを確認したいとき
説明会の前に論点を整理したいとき

つまり、アンケートは「決定の代わり」ではなく、「整理の材料」として使うとかなり有効です。

工事の専門判断と、住民の実感は別に見た方がいい

理事会で整理したいのは、建物の状態や工事の必要性です。
一方で、住民の皆さんが気にするのは、暮らしへの影響や分かりやすさだったりします。

たとえば、

洗濯物はどうなるのか
バルコニーは使えるのか
工事中の音はどの程度か
在宅勤務への影響はあるか
防犯面は大丈夫か

こうしたことです。

建物診断や見積比較では出てこないけれど、住民説明ではかなり大事になる話です。
アンケートを取る意味は、こうした住民の実感を理事会が先に知っておけることにもあります。

どのタイミングで取るかで役割が変わる

アンケートは、いつ取るかで意味が変わります。

早い段階で取るなら、住民の不安や関心を把握する役割が強くなります。
ある程度方針が見えてから取るなら、説明の足りない点や、生活影響への懸念を確認する役割が強くなります。

ざっくり整理すると、こんな見方ができます。

タイミング主な目的見えやすいこと
検討初期住民の関心や不安を把握する気になっている場所、修繕への温度感、生活面の不安
方針整理の途中理事会との認識差を確認する住民が重く見ている点、説明不足の部分
説明会の前住民説明の準備材料にする質問が出やすい点、説明の順番、気になる生活影響
工事前具体的な周知に役立てる洗濯物、バルコニー、窓、防犯、在宅勤務などの懸念

この表のように、アンケートは一回で何でも解決するものではありません。
何を知りたいのかを決めてから使った方が、かなり整理しやすいです。

アンケートを取ると、住民説明の組み立てが変わる

アンケートのよいところは、理事会が説明したいことではなく、住民が聞きたいことが見えやすくなる点です。

理事会はどうしても、

工事範囲
予算
施工会社
工期

を中心に説明しようとします。

もちろんそれは大事です。
ただ、住民の皆さんの頭の中では、

生活への影響
工事中の不便
本当に今必要なのか
お金の話はどうなるのか

が先にあることも多いです。

アンケートを通じてそのズレが見えると、住民説明の順番も変わってきます。
この点はかなり大きいです。

何でも自由記述にすると整理がむずかしくなる

アンケートを作るときに気をつけたいのは、全部を自由記述にしないことです。

自由に書いてもらうと、確かにいろいろな声が集まります。
ただ、その分だけ整理に時間がかかります。
理事会の中で読み込む負担も大きくなります。

そのため、

選択式で全体傾向を見る項目
必要なところだけ自由記述にする項目

を分けた方が使いやすいです。

たとえば、
「工事中に不安なことは何ですか」は選択式、
「その他、気になる点があればご記入ください」を自由記述、
という形です。

これだけでもかなり見やすくなります。

質問数を増やしすぎると回答しにくい

理事会としてはいろいろ聞きたくなります。
ただ、質問が多すぎると、住民の皆さんも途中で疲れてしまいます。

大規模修繕のアンケートでは、
「今回何を把握したいのか」
を絞る方がうまくいきやすいです。

たとえば今回は、
生活影響への不安を把握したいのか、
共用部の気になる点を把握したいのか、
工事全体への理解度を見たいのか。

ここが曖昧だと、項目がどんどん増えます。
結果として、理事会でも住民の皆さんでも扱いにくいアンケートになりやすいです。

アンケートは「意思決定そのもの」には向かないことがある

ここは少し注意が必要です。

住民の声は大事です。
ただ、工事範囲や仕様、施工会社の選定を、そのままアンケート結果だけで決めるのは難しいことがあります。

なぜなら、大規模修繕には専門的な判断や、長期修繕計画、積立金との関係もあるからです。

だから、アンケートは
「決めるための投票」
というより、
「理事会が整理するための情報」
として使う方が現実に合っています。

この位置づけを最初に持っておくと、理事会としても住民説明としても整理しやすくなります。

住民の声を聞くだけで、空気が変わることもある

アンケートの意味は、内容を知ることだけではありません。
管理組合として「住民の声を聞こうとしている」という姿勢が見えることにも意味があります。

大規模修繕は、理事会だけで進めているように見えると、住民の皆さんに少し距離を感じさせることがあります。
でも、事前に意見や不安を聞く場があると、少なくとも
「一方的に決まっている感じ」
は和らぎやすいです。

もちろん、アンケートを取れば全部うまくいくわけではありません。
ただ、合意形成の空気づくりという意味でも、役立つことがあります。

理事会で先に決めておきたいこと

アンケートを実施する前に、理事会で整理しておきたいのは次の点です。

何を知るためのアンケートなのか
結果をどう整理するのか
どこまで工事内容に反映するのか
住民にどうフィードバックするのか

ここが決まっていないと、集めた後に理事会が困りやすいです。
特に大事なのは、結果をどう扱うかです。

集めっぱなしになると、住民の皆さんも
「書いた意味があったのかな」
と感じやすくなります。

こういう管理組合にはアンケートが向いている

特に、次のような管理組合ではアンケートが役立ちやすいです。

大規模修繕が初めてに近い
理事会と住民の認識差がありそう
工事中の生活影響が大きそう
住民説明を丁寧にしたい
共用部に対する要望が多そう
理事会だけでは見えない不安を先に知っておきたい

こうした状況では、アンケートが理事会の整理材料としてかなり効きます。

よくある質問(Q&A)

大規模修繕でアンケートは必ず必要ですか?

必ずではありません。
ただ、住民の不安や関心を事前に把握したい場合にはかなり役立ちます。

アンケート結果で工事内容を決めるべきですか?

そのまま決めるというより、理事会が整理するための情報として使う方が現実的です。
専門的な判断や予算との関係もあるためです。

何を聞くといいですか?

住民が気にしている生活影響、不安な点、共用部で気になる場所、説明会で知りたいこと、あたりは聞きやすくて整理しやすいです。

まとめ

大規模修繕のアンケートは、賛成か反対かを取るためだけのものではありません。
住民がどこを気にしているのか、何が不安なのか、理事会との認識差がどこにあるのかを知るための材料としてかなり役立ちます。

大切なのは、何を知るためのアンケートなのかを決めてから実施することです。
質問を増やしすぎないこと、自由記述ばかりにしないこと、結果をどう扱うかを理事会で先に決めておくことも大事です。

アンケートは、工事の結論をそのまま決めるためのものではありません。
ただ、住民説明や合意形成を進めるうえで、理事会が一歩先に住民の声を知っておけるという意味では、とても使いやすい道具です。

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