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長期修繕計画と大規模修繕の違いとは?管理組合が混同しやすいポイント

こんにちは。MRCの平松です。

管理組合の方とお話ししていると、かなり早い段階でよく出てくるのが、
「長期修繕計画と大規模修繕って、どう違うんですか?」
という疑問です。

初めてかかわる方はよくわからない方もいます。

どちらも修繕の話ですし、どちらもお金が関わります。
しかも、理事会の中では同じタイミングで話題に上がることが多いので、少し混ざりやすいです。

長期修繕計画を見直したい、という話をしていたはずなのに、途中から大規模修繕の見積比較の話になっていたり。
逆に、大規模修繕を考えていたはずなのに、いつの間にか修繕積立金や将来収支の話が中心になっていたり。
こういうことは、かなり起こりやすいです。

もちろん、二つはまったく別のものではありません。
かなり関係があります。
ただ、同じではありません。

この違いが少し見えているだけで、理事会の整理はかなりしやすくなります。
住民説明でも話しやすくなりますし、今どこを考えているのかも見えやすくなります。

今回は、長期修繕計画と大規模修繕の違い、管理組合が混同しやすいポイント、理事会でどう分けて考えると進めやすいのかをまとめてみたいと思います。

長期修繕計画は「これからの見通し」を持つためのもの

まず、長期修繕計画は何かというと、マンションをこれからどう維持していくかを考えるための計画です。

この先、どんな工事が必要になりそうか。
どの時期に大きな修繕がありそうか。
設備更新はいつ頃を見込むか。
修繕積立金との関係をどう見るか。

こうしたことを、長い目で整理するのが長期修繕計画です。

つまり、今すぐ工事をするためだけの資料ではありません。
もっと長い時間軸で、マンション全体の将来を見ていくための土台です。

理事会にとっては、今の判断が将来にどうつながるかを見るための地図のようなもの、と考えると分かりやすいです。

大規模修繕は「今回の工事」をどう進めるかの話

一方で、大規模修繕はもっと具体的です。

今回どこを工事するのか。
どこまで補修するのか。
どんな仕様にするのか。
見積をどう比較するのか。
施工会社をどう選ぶのか。
住民説明をどうするのか。

こうした、目の前の工事を実際に進めるための話が大規模修繕です。

長期修繕計画が「長い目で見る話」だとすると、大規模修繕は「今回どう動くかを決める話」です。

どちらも大事ですが、見ている時間の幅が違います。
この違いを最初に押さえておくと、理事会で話が混ざりにくくなります。

まずは表で違いを見ると分かりやすい

理事会で共有しやすいように、かなりざっくり表にするとこんな整理になります。

項目長期修繕計画大規模修繕
主な目的将来の修繕や資金計画の見通しを持つ今回の工事を具体的に進める
時間の幅10年、20年、30年といった長期今回の工事前後の具体的な期間
主な内容工事予定、設備更新、将来収支、積立金の見通し工事範囲、仕様、見積比較、施工会社選定、住民説明
理事会での使い方今後の方向を考える材料今回の判断を進める材料
住民説明での位置づけなぜ今後の備えが必要かを説明する今回なぜこの工事をするのかを説明する

この表で見ると、長期修繕計画と大規模修繕はつながってはいるけれど、同じ役割ではないことが分かりやすいと思います。

混同しやすいのは、どちらも「修繕の話」だから

理事会の中でこの二つが混ざりやすいのは、どちらも修繕に関する話だからです。

しかも、大規模修繕を考え始めると、自然と長期修繕計画も見返すことになります。
逆に、長期修繕計画を見直していると、大規模修繕の時期や予算感が気になってきます。

つまり、二つは別物ではあるけれど、実務ではかなり近くにあります。
だからこそ、理事会の中でも

今は長期修繕計画の話をしているのか
それとも今回の大規模修繕の話をしているのか

を少し意識するだけで、整理しやすさが変わります。

長期修繕計画があるから、大規模修繕の準備がいらないわけではない

ここは誤解されやすいところです。

長期修繕計画があると、
「じゃあ大規模修繕の内容ももう決まっているのでは」
と思われることがあります。

でも実際には、そうではありません。

長期修繕計画には、あくまで将来の見通しが載っています。
その時点の想定単価や一般的な周期で組まれていることもあります。
だから、実際に大規模修繕を進めるときには、

今の建物状態はどうか
前回工事との関係はどうか
どこまで今回やるのか
今の工事費水準でどう見るか

を改めて整理する必要があります。

つまり、長期修繕計画があることと、大規模修繕の準備が終わっていることは同じではありません。

逆に、大規模修繕だけ進めても長期修繕計画が古いままだと苦しい

逆のパターンもあります。

今回の大規模修繕は何とか進めている。
でも、長期修繕計画がかなり前のままになっている。
この状態も、理事会では少し苦しくなりやすいです。

なぜかというと、今回の工事が終わったあと、次の見通しにつながりにくいからです。

今回どこまで工事したのか。
それによって次の修繕時期や設備更新をどう見るのか。
修繕積立金の考え方はどう変わるのか。
こうしたことを整理するには、長期修繕計画も更新していく必要があります。

つまり、大規模修繕だけ進めても、その結果を長期修繕計画に戻さないと、次の理事会がまた苦しくなりやすいです。

長期修繕計画は「計画」、大規模修繕は「実行」に近い

少し単純化すると、

長期修繕計画は計画
大規模修繕は実行

と考えると分かりやすいです。

ただし、実行と言っても工事そのものだけではありません。
見積比較や住民説明、施工会社選定まで含めた、実際に進めるための準備も入ります。

この見方があると、理事会の中でも
今は地図を見ているのか
それとも今回の進み方を決めているのか
が分かりやすくなります。

理事会では話す順番が大事

長期修繕計画と大規模修繕が混ざりやすいのは、話す順番が整理されていないときです。

たとえば、

今後の積立金の話
今回の工事範囲
前回工事の履歴
施工会社の比較
将来の設備更新

これを一度に出すと、理事会の中でも少し重たくなります。

進めやすいのは、たとえばこういう順番です。

今の建物状態を確認する

長期修繕計画とのずれを見る

今回の大規模修繕でどこまで考えるか整理する

その上で見積比較や住民説明に入る

この順番になると、長期修繕計画と大規模修繕の関係も少し見えやすくなります。

長期修繕計画は「今回やる工事のリスト」ではない

管理組合で混同しやすいポイントとして、長期修繕計画をそのまま「今回やる工事のリスト」と見てしまうことがあります。

もちろん参考にはなります。
ただ、実際には長期修繕計画は将来の見通しを整理したものなので、今回の工事内容をそのまま確定する資料ではありません。

今回どこまでやるかは、

今の建物状態
優先順位
予算
設備更新との関係
住民説明のしやすさ

も見ながら決めていくことになります。

この違いが見えていないと、
計画に書いてあるから全部今回やるのか
という話になりやすく、理事会でも少し整理しにくくなります。

大規模修繕コンサルが入る意味もここにある

大規模修繕コンサルが入る意味は、工事会社を選ぶことだけではありません。
むしろ多いのは、長期修繕計画と今回の大規模修繕の間を整理することです。

今の計画はどう見るのか。
今回の工事範囲はどう考えるのか。
将来収支とどうつなげるのか。
住民説明ではどこから話すのか。

こうしたところが見えていると、理事会はかなり進めやすくなります。

コンサルは工事を代わりに決める人というより、理事会が混同しやすい論点を整理するパートナーに近いです。

リノプラのような仕組みと相性がいいのもこの部分

長期修繕計画と大規模修繕が混ざりやすいのは、情報が別々に存在しているからでもあります。

長期修繕計画は冊子。
前回工事の履歴は別ファイル。
見積比較は別の資料。
住民説明の内容は議事録や配布資料。

この状態だと、理事会では毎回つなぎ直す必要が出てきます。

だからこそ、長期修繕計画、履歴、将来収支、今回の工事検討がつながって見える仕組みがあると、かなり整理しやすくなります。
リノプラのような考え方は、まさにこの「長期の計画」と「今回の実行」をつなぐところと相性がいいです。

住民説明では、この違いを分けて話すと伝わりやすい

住民説明の場でも、長期修繕計画と大規模修繕を分けて話した方が伝わりやすいです。

たとえば、

長期修繕計画は今後の見通しを持つためのもの
今回の大規模修繕は、その中で今必要な工事を具体化するもの

という形です。

こうすると、住民の皆さんも
「なぜ今この工事の話になっているのか」
が理解しやすくなります。

逆に、この二つが混ざったままだと、
将来の話なのか、今回の話なのか
が分かりにくくなりやすいです。

図でかなり簡単に見るとこうなる

文章だけだと少し固くなるので、かなり簡単に並べるとこんな関係です。

長期修繕計画

今後の見通しを持つ

その中で

今回の大規模修繕を考える

大規模修繕の結果

長期修繕計画にも反映していく

この循環で見ると、二つは別物ではなく、つながって動くものだと整理しやすいです。

よくある質問(Q&A)

長期修繕計画と大規模修繕は同じ意味ですか?

同じではありません。
長期修繕計画は将来の見通しを持つためのもので、大規模修繕は今回の工事を具体的に進めるためのものです。

長期修繕計画があれば、大規模修繕はその通りに進めればいいですか?

参考にはなりますが、そのままでは足りないことが多いです。
今の建物状態や工事費、前回工事との関係を見ながら整理する必要があります。

大規模修繕が終わったら長期修繕計画も更新した方がいいですか?

かなり大事です。
今回どこまで工事したかを計画に反映しないと、次の見通しが古いままになりやすいです。

まとめ

長期修繕計画と大規模修繕は、どちらも修繕の話ですが、役割は同じではありません。
長期修繕計画は将来の見通しを持つためのもの。
大規模修繕は今回の工事を具体的に進めるためのものです。

この違いが少し見えているだけで、理事会の整理はかなりしやすくなります。
今どこを考えているのか。
将来の話なのか、今回の話なのか。
それが見えると、住民説明もしやすくなります。

そして本当に大事なのは、この二つを別々に持つことではなく、つながって見えることです。
そこが整っていると、理事会の負担もかなり違ってきます。

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