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長期修繕計画の相場とは?考えるときに知っておきたい基本の見方
こんにちは、MRCの平松です。
管理組合の方とお話ししていると、長期修繕計画について
「相場はどのくらいなのか」
「うちのマンションは高いのか安いのか」
といったご質問をいただくことがあります。
費用の話は、とても気になるところだと思います。
長期修繕計画は、将来の修繕や更新に備えるための大切な資料ですので、そこに出てくる金額がどのくらいの水準なのか、不安になるのは自然なことです。
ただ、長期修繕計画の金額は、単純に「相場はいくら」とひとことで言い切れるものではありません。
マンションごとに建物の規模も違えば、設備の内容も違いますし、これまでの修繕履歴や、どこまで工事を見込むかによっても大きく変わります。
そのため、相場という言葉だけを見るよりも、どのように金額が決まっていくのか、何を見て高い・安いと考えるべきかを知っておくことの方が大切です。
今回は、長期修繕計画の相場を考えるときに、管理組合として知っておきたい基本の見方を、できるだけわかりやすくお伝えします。
相場は気になるけれど、それだけでは判断しにくい
長期修繕計画を見たとき、多くの方がまず気になるのは金額だと思います。
「この金額は一般的なのか」
「他のマンションと比べて高いのか」
と感じるのは、ごく自然なことです。
ただ、長期修繕計画に出てくる費用は、建物の条件によってかなり変わります。
たとえば、同じ戸数のマンションでも、
- 外壁の仕上げ
- バルコニーや共用廊下の形状
- エレベーターの有無や台数
- 機械式駐車場の有無
- 給排水設備の内容
- 共用部の仕様
などによって、将来必要になる工事や更新の内容は変わってきます。
そのため、単純に他のマンションの数字と比べて
「高いからおかしい」
「安いから安心」
とは言いにくいのが実際のところです。
大切なのは、相場を参考にしながらも、そのマンションに合った内容になっているかを見ることです。
長期修繕計画の金額は何で決まるのか
長期修繕計画の金額は、いくつかの要素が重なって決まっていきます。
建物の規模
まず大きいのは、建物の規模です。
戸数や延床面積が大きければ、それだけ修繕の対象となる面積や数量も増えます。
ただし、戸数が多いから単純に一戸あたりの負担が重くなるとは限りません。
共用部分の内容や設備の構成によっても考え方は変わります。
建物や設備の内容
マンションごとに、外壁の仕上げ、屋上の形状、共用廊下のつくり、機械設備の有無などが違います。
当然ながら、設備が多ければ更新の対象も増えますし、構造や形状によって修繕のしやすさも変わってきます。
そのため、見た目には似たマンションでも、長期修繕計画の金額には差が出ることがあります。
これまでの修繕履歴
以前にどのような工事をしているかも大きな要素です。
すでに一部の設備更新が済んでいるのか、防水や外壁補修をいつ行っているのかによって、今後の予定は変わります。
過去の履歴がしっかり整理されていないと、計画の精度にも影響が出やすくなります。
工事費の考え方
長期修繕計画の金額は、どの単価を使って試算しているかによっても変わります。
古い単価をもとにした計画と、最近の工事費の動きを反映した計画では、金額の見え方がかなり違うことがあります。
ここは実務上、とても大切なところです。
表面上は同じような計画に見えても、単価の考え方が古いと、将来の資金計画が現実と合わなくなることがあります。
相場を見るときに気をつけたいこと
長期修繕計画の相場を知ろうとすると、どうしても
「平均はいくらか」
「一戸あたりいくらか」
といった数字に目が向きやすくなります。
もちろん、そうした数字には一定の参考になる面もあります。
ただ、それだけで判断すると、かえって見誤ることがあります。
たとえば、数字だけを見ると安く見える計画でも、必要な設備更新が十分に入っていなかったり、工事費の前提が古かったりすることがあります。
反対に、一見高く見える計画でも、将来必要になる工事を丁寧に織り込んでいて、現実に近い見通しになっている場合もあります。
相場を見るときは、単に高いか安いかではなく、
その金額の中に何が入っているのか
どういう前提で計算されているのか
を見ることが大切です。
高い・安いをどう考えるか
管理組合として気になるのは、結局のところ
「うちの計画は高いのか、安いのか」
という点だと思います。
ただ、この問いに答えるには、まず金額の背景を確認する必要があります。
たとえば、
- 建物や設備の内容に見合った工事が入っているか
- 更新が必要な設備が漏れていないか
- 修繕時期に無理がないか
- 工事費の考え方が今の状況に合っているか
こうした点を見たうえで、金額の水準を考えることが大切です。
私が管理組合の方とお話ししていて感じるのは、
「高いかどうか」だけでなく、
「納得できる内容かどうか」
の方が、実は大きいということです。
必要な工事がきちんと整理されていて、そのうえで費用の見通しがわかるのであれば、たとえ金額が大きく見えても、管理組合としては考えやすくなります。
逆に、数字だけ低く見えても、その中身に不安があれば、将来かえって困ることがあります。
相場と修繕積立金はセットで考える
長期修繕計画の相場を考えるときに、切り離せないのが修繕積立金です。
将来必要になる工事費の見込みがどのくらいなのか。
それに対して、今の積立水準でどこまで対応できるのか。
この両方をあわせて見ないと、本当の意味での判断はしにくいと思います。
たとえば、相場並みに見える計画でも、積立金が低いままだと将来的に資金不足が見えてくることがあります。
逆に、計画の金額は大きく見えても、積立状況とのバランスが取れていれば、管理組合としては比較的落ち着いて進めやすいこともあります。
つまり、長期修繕計画の相場は、単独で見るものではなく、修繕積立金とのバランスの中で考えることが大切です。
古い計画だと相場感がずれやすい
ここは特に注意したいところですが、以前に作られた長期修繕計画は、金額の感覚が今とずれていることがあります。
建物自体の条件は変わらなくても、工事費は時代によって変わります。
資材価格や人件費、工事を取り巻く環境の変化によって、以前の単価では現実に合わないことがあります。
そのため、昔の長期修繕計画をそのまま見て
「このくらいでできるはず」
と思っていると、実際に大規模修繕を検討する段階で差が出ることがあります。
長期修繕計画の相場を考えるときは、今の単価感や最近の工事事情が反映されているかも確認したいところです。
相場を知ることの意味
ここまでお伝えしてきたように、長期修繕計画の相場は、単純な比較だけでは見えにくい部分があります。
それでも相場を知っておく意味はあります。
なぜなら、相場を意識することで、
「この計画は何を前提にしているのか」
「数字の考え方に無理はないか」
「積立金との関係はどうか」
といったことを確認するきっかけになるからです。
つまり、相場を知ることの本当の意味は、平均値に当てはめることではなく、今ある計画を見直す視点を持つことだと思います。
よくあるご相談
ここで、長期修繕計画の相場について、よくいただくご相談をいくつかご紹介します。
一戸あたりの金額で見ればいいのか
参考にはなりますが、それだけで判断するのは難しいです。
戸数が同じでも、設備や共用部分の内容によって必要な費用はかなり変わります。
他のマンションと比べて高い気がする
そう感じたときは、金額だけでなく、何が含まれているか、単価の考え方はどうか、設備更新まで織り込まれているかを確認することが大切です。
相場より安ければ安心なのか
必ずしもそうではありません。
必要な工事や更新が十分に入っていなかったり、古い単価のままで計画されていたりすると、後になって不足が見えてくることがあります。
まとめ
長期修繕計画の相場は、管理組合としてとても気になるテーマですが、単純に「いくらが普通か」だけでは判断しにくいものです。
建物の規模や設備の内容、これまでの修繕履歴、工事費の考え方によって、金額は大きく変わります。
そのため、大切なのは相場の数字だけを見ることではなく、
その金額の中に何が含まれているのか
どのような前提で計画されているのか
修繕積立金とのバランスはどうか
をあわせて見ていくことです。
長期修繕計画の相場を考えることは、単に高い・安いを比べるためではなく、今の計画が自分たちのマンションに合っているかを見直すための入口になると思います。
だからこそ、数字の表面だけではなく、その中身を丁寧に見ていくことが大切です。
MRCでは長期修繕計画のプラットフォーム『リノプラ』を提供しています。
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