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大規模修繕の工事期間はどのくらい?管理組合が知っておきたい見方
こんにちは。MRCの平松です。
大規模修繕の話が具体的になってくると、管理組合の方からかなり高い確率で聞かれるのが、
「工事って、どのくらいの期間がかかるのでしょうか」
という質問です。
これは住民の皆さんにとっても、とても気になるところだと思います。
足場はいつからかかるのか。
洗濯物はいつまで制限されるのか。
騒音が出やすい時期はどのくらい続くのか。
バルコニーはどの程度使いにくくなるのか。
工事の中身そのものより、まず生活への影響がどのくらいあるのかを知りたい、という感覚はごく自然です。
一方で、理事会の中では
「何か月くらいで終わると考えておけばいいのか」
「住民説明ではどう伝えればよいのか」
といった整理が必要になってきます。
ただ、大規模修繕の工事期間は、どのマンションでも一律ではありません。
建物の規模、工事の範囲、住戸数、設備の内容、季節、進め方によっても変わってきます。
今回は、大規模修繕の工事期間をどう見ればいいのか、管理組合としてどんな点を押さえておくとよいのかを整理してみたいと思います。
工事期間はマンションごとにかなり違う
最初にお伝えしておきたいのは、大規模修繕の工事期間は
何か月と一律に言い切れるものではない
ということです。
たとえば同じくらいの戸数でも、
・建物の形がシンプルか複雑か
・外壁の面積がどれくらいあるか
・バルコニーや共用廊下のつくりはどうか
・屋上や共用部の工事がどの程度あるか
・設備工事をどこまで含めるか
といった条件で、工期の見え方はかなり変わります。
そのため、住民の皆さんから
「普通は何か月くらいですか」
と聞かれたときも、一般的な目安を伝えつつ、最終的には
このマンションで何をどこまでやるかによる
という説明が必要になります。
工事期間を考えるときは、他のマンションの話をそのまま当てはめるより、自分たちの建物条件と工事範囲を見ていく方が現実的です。
工事期間は「足場がかかっている期間」とほぼ重なることが多い
住民の皆さんが体感しやすい工事期間は、多くの場合
足場がかかっている期間
に近いです。
足場が設置されると、外観も変わりますし、バルコニーの使い方や窓まわりの扱いにも影響が出やすくなります。
工事の音や人の出入りも増えるので、住民の皆さんにとってはこの時期が一番「工事中だ」と感じやすいです。
そのため、工事期間を住民説明で伝えるときは、単に
「工期は○か月です」
と言うだけではなく、
・足場の設置から解体までの流れ
・生活への影響が大きい時期
・比較的影響が少ない時期
を分けて伝えた方が、住民の皆さんには分かりやすいことが多いです。
準備期間と工事期間は分けて考える
大規模修繕の話をしていると、理事会でも住民の皆さんでも、工事期間だけに意識が向きやすいです。
ただ、実際にはその前の準備期間もかなり大きな意味を持ちます。
たとえば、
・建物調査や診断
・工事内容の整理
・見積比較
・施工会社の選定
・理事会での検討
・住民説明
・総会承認
といった流れがあります。
理事会の感覚では
「工事は半年くらい」
でも、全体として見れば、その前にかなり長い検討期間があることも珍しくありません。
このため、理事会としては
工事期間そのもの と
大規模修繕全体の検討期間
を分けて捉えておいた方が整理しやすいです。
住民の皆さんに説明するときも、この違いを分けて伝えると混乱が少なくなります。
工事期間を左右しやすい要素
工期はマンションごとに違うとお伝えしましたが、その中でも特に影響しやすい要素があります。
建物の規模
まず分かりやすいのが建物の規模です。
住戸数が多い、棟数が多い、建物が横に長い、共用部が広いといったマンションでは、その分だけ作業量も増えやすくなります。
単純に大きい方が長くなりやすい、と考えるとイメージしやすいです。
工事範囲
同じ建物でも、どこまで工事を行うかで期間は変わります。
たとえば、外壁・防水・シーリング・鉄部塗装の標準的な工事なのか、そこに設備更新や共用部改修まで含めるのかで、工程の組み方はかなり変わります。
つまり、工期を見るときは
建物の大きさ だけでなく、
今回の工事で何を含めるのか
を見る必要があります。
劣化状況
調査してみると、想定より補修箇所が多いことがあります。
外壁補修や下地処理などは、実際の状態によって作業量が変わりやすいため、工期にも影響します。
つまり、見た目では分かりにくくても、建物の状態によって工期が前後することがあるわけです。
季節や天候
工事は屋外作業が多いため、季節や天候の影響も受けます。
雨が続けば予定どおりに進まないこともありますし、夏場や冬場で住民への感じ方も変わります。
工期を考えるときは、単なるカレンダー上の期間ではなく、実際に動かせる日数も影響してくることがあります。
住民が気にするのは「総工期」より「生活に影響する時期」
ここは理事会側が意識しておきたいところです。
理事会では
「工事全体で何か月か」
に目が向きやすいのですが、住民の皆さんが知りたいのは、必ずしもそれだけではありません。
むしろ気になるのは、
・洗濯物の制限が出るのはいつか
・バルコニーが使いにくくなるのはどのくらいか
・騒音が大きいのはいつ頃か
・足場解体はいつになるか
といった、生活に関わる時期 です。
そのため、住民説明では単に総工期を示すだけでなく、
生活への影響が強い工程を分かりやすく伝えることが役に立ちます。
ここが抜けていると、工期そのものよりも
「結局いつ何が起きるのか分からない」
という不安の方が大きくなりやすいです。
理事会では「長いか短いか」より「どう伝えるか」が大事
理事会で工期を検討するとき、つい
「長い」「短い」
という感覚で話をしがちです。
もちろんそれも大切ですが、実際には
その工期をどう住民に伝えるか
の方が重要なことも多いです。
たとえば、半年という工期でも、
・全期間ずっと強い制限があるわけではない
・工程によって生活影響の強弱がある
・事前に分かっていれば対応しやすい
ということが伝わるだけで、住民の受け止め方はかなり違ってきます。
つまり理事会としては、工期そのものの数字だけでなく、
住民の皆さんが生活の見通しを持てるように整理すること
が大きな役割になります。
工程表は住民向けにそのままでは伝わりにくい
施工会社から出てくる工程表は、工事を管理するためのものとしてはとても大事です。
ただ、そのまま住民の皆さんに見せても、分かりにくいことがあります。
なぜかというと、工程表は工事の専門的な流れを整理しているものであって、住民の皆さんが知りたい
「生活への影響」
をそのまま表しているわけではないからです。
そのため、住民説明では工程表をそのまま見せるより、
・足場設置
・高圧洗浄
・外壁補修
・塗装
・防水
・足場解体
といった大きな流れに分けて、
どの時期にどんな影響がありそうかを補って説明した方が伝わりやすくなります。
工期の説明では“幅”を持たせることも必要
工事には天候や追加補修など、予定どおりにいかない要素もあります。
そのため、工期の説明では
「必ずこの日で終わります」
と言い切りすぎると、かえって後から苦しくなることがあります。
住民説明では、
・現時点での予定
・前後する可能性があること
・変更があればどう周知するか
まで含めて伝えておくと、住民の皆さんも受け止めやすくなります。
工期は約束というより、見通しを共有するもの と考えた方が現実に合いやすいです。
工事期間が長く感じられるのは情報不足のとき
実際の工期以上に、住民の皆さんが
「長い」
と感じることがあります。
そういうときは、工期そのものよりも、
・何がいつ起きるのか分からない
・次の予定が見えない
・生活影響の説明が足りない
・変更があっても共有されない
といった情報不足が背景にあることも多いです。
つまり、工期の感じ方は、期間の長さだけで決まるわけではありません。
見通しが持てるかどうか がかなり大きいです。
そのため、理事会としては工期を短く見せることより、工事の流れを分かりやすく共有することの方が、実際には意味があります。
理事会で事前に整理しておきたいこと
工期について理事会で整理しておきたいのは、たとえば次のようなことです。
・全体の工期はどのくらいか
・生活に影響が出やすい工程は何か
・バルコニーや洗濯物への制限はいつ頃か
・騒音が出やすい作業は何か
・予定変更があったときの周知方法はどうするか
これらが整理できていると、住民説明もかなりしやすくなります。
逆に、理事会の中でこのあたりが曖昧だと、説明会でも質問が集中しやすくなります。
よくある質問(Q&A)
大規模修繕の工事期間はどのくらい?
マンションの規模や工事内容によって違います。
そのため一律には言えませんが、足場がかかる期間を中心に、数か月単位で考えることが多いです。
住民に説明するときは総工期だけ伝えればいい?
それだけでは足りないことが多いです。
生活への影響が出やすい時期や、バルコニー・洗濯物の扱いなどもあわせて伝えた方が分かりやすくなります。
予定どおりに終わらないこともある?
あります。
天候や追加補修などで前後することもあるため、説明では一定の幅を持って伝えておく方が現実的です。
まとめ
大規模修繕の工事期間は、建物の規模や工事範囲、劣化状況などによって変わるため、一律に決められるものではありません。
そのため、他のマンションの事例よりも、自分たちの建物で何をどこまで行うのかをもとに見ていく必要があります。
また、住民の皆さんが知りたいのは総工期だけではなく、生活への影響が強い時期や、日常の使い方がどう変わるかという点です。
理事会としては、工程表をそのまま伝えるのではなく、生活の見通しが持てる形で整理する視点があると、住民説明もしやすくなります。
工事期間は、短いか長いかだけで見るものではありません。
住民の皆さんが不安なく過ごせるように、流れを分かりやすく伝えていくことが、その後の進み方にも大きく関わってきます。
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