News

新着情報

新着情報
  • お役立ち情報

修繕の情報が担当者任せになると何が起きる?管理組合で気をつけたいこと

こんにちは。MRCの平松です。

管理組合の方とお話ししていると、修繕の話がある程度進んでいるマンションほど、別の悩みが見えてくることがあります。
それが、修繕に関する情報が、少しずつ一人の担当者に集まってしまうことです。

たとえば、

「この件は理事長が一番よく分かっている」
「前回の資料は修繕委員の○○さんが持っている」
「細かい経緯は担当理事のパソコンに残っている」
「管理会社とのやり取りは、その人しか把握していない」

こういう状態です。

その場では、むしろ助かることもあります。
詳しい人がいると話が早いですし、理事会としても頼りたくなります。

ただ、その状態が続くと、修繕の検討は少しずつ“管理組合の話”ではなく、“担当者の頭の中の話”になりやすくなります。
ここに、後からじわじわ効いてくる難しさがあります。

今回は、修繕の情報が担当者任せになったときに、理事会でどんなことが起こりやすいのか。
そして、なぜそれが修繕の進め方そのものに影響してくるのかを整理してみたいと思います。

担当者が詳しいこと自体は悪いことではない

最初にここは分けて考えた方がいいと思います。

管理組合の中で、修繕の話をよく見ている方がいること自体は悪いことではありません。
むしろ、誰も見ていないよりずっと良いです。

資料を集める。
管理会社とやり取りをする。
前回工事を確認する。
長期修繕計画を見直す。
こうしたことは、どうしても中心になって動く人が必要になります。

問題になるのは、その方が詳しいことではなく、その人しか分からない状態になることです。

ここが少しずつ進むと、理事会の中で見えている景色に差が出てきます。
その差が大きくなるほど、話し合いは進んでいるようで進みにくくなります。

資料が共有されていても、理解は共有されていないことがある

修繕の情報が担当者任せになるとき、よくあるのが
「資料は配っているから大丈夫だと思っていた」
という状態です。

たしかに、資料そのものは共有されていることがあります。

長期修繕計画。
前回工事の報告書。
見積比較表。
写真。
理事会用のメモ。

でも、それらを見れば誰でも同じように理解できるかというと、そうでもありません。

担当者の頭の中には、

この資料がどの流れの中にあるのか。
なぜこの比較をしているのか。
前回工事とどうつながるのか。
どこが今の論点なのか。

という背景があります。

一方で、ほかの理事はそこまで追えていないことがあります。
すると、資料は共有されていても、理解の深さに差が出ます。
これが積み重なると、理事会の中で見えない段差ができていきます。

会議では“説明を聞く人”が増えやすくなる

担当者に情報が集まっている理事会で起こりやすいのが、ほかの理事が少しずつ「判断する側」ではなく「説明を聞く側」になっていくことです。

もちろん、すべてを同じ深さで把握するのは難しいです。
ただ、毎回同じ人が説明し、ほかの理事は確認だけ、という形が続くと、理事会全体としての理解はなかなか厚くなりません。

そうなると会議の中でも、

「その件はどういう話でしたっけ」
「前回なぜその方向になったんでしたっけ」
「つまり今は何を決める段階なんですか」

という確認が増えやすくなります。

これは理事の能力の問題ではなく、情報の持ち方の問題です。
誰かが説明しないと進まない状態になると、その人がいない会議は急に弱くなります。

担当者が抜けたときに一気に話が止まりやすい

修繕情報が担当者任せになっていると、一番影響が大きいのは、その方が理事を退任したり、忙しくなったりしたときです。

それまで会議が回っていたので、問題が表に出にくいこともあります。
でも、人が替わった瞬間に、

どこまで整理していたのか。
何が決定事項で、何が検討中なのか。
前回の論点は何だったのか。
資料の最新版はどれか。

このあたりが一気に見えにくくなります。

その結果、理事会はまた前提確認から始めることになります。
しかも、前の担当者がいないので、確認のスピードも落ちます。

修繕の検討は長い時間がかかるので、理事交代は避けられません。
だからこそ、最初から「いつか人が替わる」ことを前提にしておいた方が、後で苦しくなりにくいです。

前回の判断理由が残りにくい

資料そのものは残っていても、担当者任せの状態だと、意外と残りにくいのが「なぜその判断になったのか」という部分です。

たとえば、

なぜ今回はこの工事項目を優先したのか。
なぜこの会社は候補から外れたのか。
なぜ設備更新は今回は見送ったのか。
なぜこの時期に見直しが必要だと考えたのか。

こうしたことは、後から見るとかなり大事です。
でも、担当者の頭の中で整理されて終わってしまうと、紙には残りにくいです。

そうなると、次の理事会は結果だけを見ることになります。
結果だけ見ると、また最初から考え直したくなることがあります。
それは当然です。理由が見えないからです。

修繕の話が戻りやすいのは、決めたことが間違っていたからではなく、判断の理由が次に渡っていないからということも少なくありません。

住民説明でも言葉が弱くなりやすい

担当者に情報が集まりすぎると、住民説明でも影響が出てきます。

その方が話すと流れが見えていて分かりやすい。
でも、理事会全体として説明しようとすると、急に言葉が薄くなることがあります。

たとえば住民の方から、

「前回との違いは何ですか」
「なぜ今回はこの工事が必要なのですか」
「どこを比較してこの方向になったのですか」

と聞かれたとき、担当者ならすぐ答えられる。
でも、それ以外の理事には少し説明しにくい。
こういうことが起こります。

住民説明は、一人の担当者が上手に話せば済む場面もあります。
ただ、管理組合として説明する以上、理事会全体にある程度の理解がある方が安心です。

その意味でも、情報を一人の中にため込まないことは大切です。

“聞けば分かる”状態は、長く続くと苦しくなる

担当者任せの理事会では、

「その件は○○さんに聞けば分かる」
という状態になりやすいです。

短い期間なら、それで回ることもあります。
ただ、これが長く続くと、理事会の中で自分から資料を読んで理解する流れが弱くなりやすいです。

気づくと、

まず誰かに聞く。
説明を受けてから考える。
資料はその補足として見る。

という順番になってしまいます。

この流れになると、会議のたびに説明の負担が発生します。
しかも、担当者が変わると一気に回らなくなります。

理事会に必要なのは、誰かに聞けば分かることではなく、見れば状況がつかめることなのだと思います。

工事履歴や長期修繕計画が“個人の持ち物”になりやすい

これは少し怖い話ですが、担当者任せの状態が続くと、修繕に関する情報が管理組合の資産ではなく、個人の持ち物のようになってしまうことがあります。

たとえば、

前回工事の写真はその人のパソコン。
比較資料はその人が整理したファイル。
修繕履歴はその人のメモで追っている。
住民説明で使った図もその人の手元。

こうなると、資料はあるようで、実際には理事会の中で自由に使える状態ではありません。

本来、修繕情報は管理組合の共有財産のはずです。
誰が理事になっても見られて、追えて、使えることが大事です。

そこが個人に寄ってしまうと、理事交代のたびにかなり苦労しやすくなります。

情報を分散させないだけで理事会はかなり楽になる

ここまで読むと、難しい仕組みが必要に見えるかもしれません。
でも実際には、最初の一歩はもっとシンプルです。

どの資料が最新なのか分かる。
前回工事と今回の論点がつながって見える。
理事会で何を整理済みかが見える。
住民説明で使った資料もたどれる。

まずはこうした状態をつくるだけでも、理事会はかなり進めやすくなります。

誰かが詳しいことは悪くありません。
ただ、その詳しさを管理組合の中で共有できる形に変えていくことが大切です。

こういう管理組合ほど注意したい

特に、担当者任せの状態が起こりやすいのは次のような管理組合です。

・理事が輪番で毎年入れ替わる
・大規模修繕が近く、資料が増えている
・修繕委員会に詳しい人がいて、その人に頼りがち
・長期修繕計画、履歴、写真が別々に保管されている
・理事会のたびに前提説明から始まりやすい
・住民説明の準備が毎回重たくなる

こういう状況では、情報の持ち方を少し見直すだけでも、後の負担がかなり違ってきます。

よくある質問(Q&A)

担当者が詳しいのは悪いことですか?

いいえ、悪いことではありません。
問題になるのは、その人しか分からない状態になることです。
理事会の中で共有できる形にしておくことが大切です。

資料を配っていれば十分ではないのですか?

資料があることは大事ですが、それだけでは足りないことがあります。
なぜその資料が必要なのか、今どこを見ているのかが分かる形になっている方が使いやすいです。

一番困るのはどんなときですか?

担当者が替わったときです。
それまで頭の中でつながっていた流れが見えなくなり、理事会がまた前提確認から始まりやすくなります。

まとめ

修繕の情報が担当者任せになると、その場では話が進んでいるように見えても、あとで理事会全体の負担が大きくなりやすいです。

資料は残っていても、流れや判断理由が共有されていないと、理事が替わるたびに話が戻りやすくなります。
住民説明でも、一人だけが詳しい状態では、管理組合全体としての説明がしづらくなります。

修繕の情報は、誰かが覚えていればいいものではありません。
次の理事会も同じ前提で見られること。
必要なときに、理事会全体で追えること。
そこまで整っていると、修繕の話はずいぶん進めやすくなります。

MRCでは長期修繕計画のプラットフォーム『リノプラ』を提供しています。

建物を3Dモデリングし、一級建築士事務所が長期修繕計画を策定した上で、維持管理を伴走する仕組みですので、お悩みの管理組合様はぜひご検討ください。

関連記事

お知らせ一覧

[ お問い合わせ ]

相談してみよう!

お問い合わせ窓

修繕や計画に関する不安や疑問があれば、小さなことでも大丈夫です。MRCは“暮らしに寄り添い、導くパートナー”として、皆さまの声に耳を傾けます。

お問い合わせ 資料請求(無料)
お問い合わせ背景