大規模修繕工事

タワマンの大規模修繕について|費用・期間・難しさなどを徹底解説

タワーマンション(以下、タワマン)を購入する際に懸念されるのは、高い維持費や修繕積立金などです。また、タワマンが日本で建てられ始めたのも20世紀末頃。古いと言えるほどのタワマンはまだなく、耐久性や2回目以降の大規模修繕工事にどれほどの費用・手間がかかるのかも未知数だと言えます。

このため、タワマンに住んでいる方、購入を検討している方にとっては大規模修繕工事などによる補修費用や具体的な進め方などが主な疑問となるものです。

 

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この記事は以下のような方におすすめ
タワマンの大規模修繕工事について詳しく知りたい
タワマンの修繕は難しいと聞いたが、その理由について知りたい
タワマンの修繕工事の進め方を抑えたい

本記事では、タワマンの大規模修繕工事について専門家の立場からわかりやすく解説。タワマンに住んでいる方、購入を検討している方はぜひご覧ください。

大規模修繕工事の目的とは?

本記事ではタワマンの大規模修繕工事について解説していきますが、まずは「大規模修繕工事とは何か?」と疑問をお持ちの方に対して、その概要を簡単にお伝えします。すでに大規模修繕工事のことは知っているという方は、次の見出しからお読みください。

大規模修繕工事とは、マンションの経年劣化などを補修する工事を指します。どれだけ丈夫に作られている建造物であっても風雨や紫外線などによる経年劣化を避けることはできません。このような劣化を10年単位で直す工事を大規模修繕工事と呼びます。

また、普通のマンションの大規模修繕工事は基本的な足場を組んで実施しますが、高層のタワマンでは後述のゴンドラや移動昇降式足場などを使用しながら修繕を実施する必要があります。

タワマンの大規模修繕工事の周期・費用・期間

低層のマンションと比べると、大規模修繕工事の手間が大きくなる傾向にあるタワマン。どうしても、費用や期間がかかりがちです。本記事では、読者の皆様が特に気にされるであろう大規模修繕工事の費用を始め、どれくらいの周期で、どれくらいの期間で修繕されるのかを解説します。

周期

まずタワマンの大規模修繕工事の周期ですが、これは一般的な低層マンションと基本的には変わりがありません。

ほぼ全てのマンションが長期修繕計画と呼ばれる計画書をベースに大規模修繕工事が行われます。この計画書を見ると、多くは12年周期で修繕が行われるように設定されています。

「12年」という周期は慣例的なものではなく、国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン(令和3年9月改訂)」と呼ばれる資料が論拠となっているのです。

こちらの資料の「5 計画期間の設定」には、以下のようなことが書かれています。

「計画期間は、30 年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とします。」

「外壁の塗装や屋上防水などを行う大規模修繕工事の周期は部材や工事の仕様等により異なりますが、一般的に 12~15 年程度」

このため最短周期で12年、マンションの現状によっては15年と考えられることが多いです。しかし近年は資材や塗料が発達して以前よりも長持ちするようになったこともあり、18年周期で計画されているマンションも増えています。

型どおりに「12年周期」と考えるよりも、劣化具合を鑑みつつ必要な時に実施という考え方で12年から18年という範囲で設定されていることが多いです。

費用

次にタワマンの大規模修繕工事にかかる費用を解説します。結論から言うと戸あたり120万円〜250万円と考えられます。

ちなみに一般的な低層マンションの場合、1回目の大規模修繕工事で中央値98.7万円がかかるとされています。(国土交通省『マンション大規模修繕工事に関する実態調査』)

一方タワーマンションの場合は特殊な修繕方法を用いる必要があるため、費用は割高です。

例えば、ザ・ガーデンタワーズは大規模修繕工事の費用が8億円かかり、1戸あたりに換算すると170万円です。センチュリーパークタワーは756戸ですが、大規模修繕工事に17.5億円かかりましたので、1戸あたり約231万円もかかっている計算です。

一般的なマンションが1戸あたり98.7万円の修繕費であることを考えると、タワマンの大規模修繕工事にかかる費用は割高であると言えるでしょう。

ただし、先述の通りタワマンの大規模修繕工事の実施例自体がまだまだ少ないのが現状です。今後、タワマンの修繕ノウハウが業者側に蓄積されれば費用が下がる可能性も考えられます。

期間

費用同様、タワマンの大規模修繕工事の実施例が少ないので期間自体も確立はされていませんが、例えば埼玉県川口市にある「エルザタワー55」は2015年から大規模修繕工事が始まり、2年後の2017年に竣工しました。

ただし、タワマンの修繕事例自体が乏しい中での合意形成がなかなか進まず、修繕委員会が設置されたところから竣工までを考えると7年の月日を要しています。大規模修繕工事が12〜18年の周期で行われることを考えると、かなり前の段階から修繕委員会・理事会などで検討を進めておく必要があるでしょう。

タワマン大規模修繕工事の難易度が高い理由

前項でタワマンの大規模修繕工事が低層マンションと比べると高額で、期間も長期に渡るということを述べましたが、ここではその理由についてさらに詳しく解説をします。

修繕ノウハウが未発達

先述の通り、日本にタワマンが建てられ始めたのは20世紀末です。つまり、多くのタワマンが1〜2回程度の大規模修繕工事しか経験していないということになります。

従来型のマンションであれば数多くの工事が行われ、そのノウハウが共有されます。しかしタワマンの工法は従来のものとは異なり、ノウハウ自体が未発達なのです。このような理由もあり、タワマン大規模修繕工事の難易度は高いと言えるのです。

住民が多いので合意形成に時間がかかる

タワマンに限ったことではありませんが、大規模マンションの場合は大規模修繕工事に向けた合意形成の難易度も上がることになります。業者選定や工事の内容、工事費用など住民間で確認してプロジェクトを進めていかなければなりません。

総戸数が多く、1戸あたりの修繕費用が高額なタワマンでは、特に合意形成は難しいものとなるでしょう。コンサルティング会社などと協働して円滑に進めていくことをおすすめします。

タワマン大規模修繕工事の進め方

先ほどから「タワマンの大規模修繕工事は、従来型とは異なる」と述べてきましたが、具体的にはどのような方法で修繕を進めていくのかについて本項で解説をします。

屋上から吊り下げる「ゴンドラ」を使用する場合や、柱を立てて設置する「移動昇降式足場」を使用することが多い。

低層・中層・高層で修繕方法を変えることも

低層マンションの場合は建物全体を覆うように足場を組み立てることが多いですが、タワマンの場合は低層・中層・高層で修繕方法を変えることもあります。

低層:枠組み足場

地面に近い低層階には、従来型の枠組み足場のような仮設足場を設置して大規模修繕工事を行います。

中層:移動昇降式足場

また、低層から中層階には移動昇降式足場を使用することもあります。移動昇降式足場は仮設足場を設置する必要がないため、従来型のマンションでも採用される場面が見られます。

高層:常設のゴンドラ

タワマンの窓拭きなどに用いられている常設のゴンドラを使用することもあります。すでに設置済みなので、費用等も抑えることができ、すぐに作業に入ることが可能です。

まとめ

本記事では、タワマンの大規模修繕について様々な視点から解説をしました。まだまだ修繕ノウハウが確立されていないため、着工に至るまでにも様々な困難が生じるでしょう。

弊社では大規模修繕工事の進行を円滑に進めるサポート(コンサルティング業務)や、修繕内容についてアドバイスを行うセカンドオピニオン業務を提供しています。

今後、タワマンの大規模修繕工事を考えておられる方はお気軽にご連絡ください。

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