大規模修繕工事

設計コンサルタント会社の選定が最重要な理由

こんにちは、MRCの平松です。

大規模修繕工事の設計事務所、いわゆる設計コンサルタント会社の選定を検討する場合、管理会社の紹介にお任せではいけません。

これからマンションの大規模修繕工事を検討されている管理組合様は、本記事を参考にしてください。

 

大規模修繕工事・長期修繕計画策定等でお悩みの管理組合様はお気軽のお問い合わせください

 

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この記事は以下のような方におすすめ

  • 理事会に選ばれて、これから大規模修繕工事を検討している
  • 修繕委員会を立ち上げたが、どの様に進めればようか迷っている
  • 管理会社を介入させずに管理組合主導で選定を行いたい

そもそも大規模修繕工事にコンサルタント【設計事務所】が必要か?と疑問を持つ方も多くいると思います。

その疑問には、適切な設計コンサルタント会社が選定された場合は必要と答えます。

国交省が平成29年1月27日に通知した「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について」においては、下記のように記載されています。

【マンションの大規模修繕工事等において、診断、設計、工事監理等を担う設計コンサルタントが技術資料を作成し、管理組合の意思決定をサポートする、いわゆる「設計監理方式」は、適切な情報を基に透明な形で施工会社の選定を進めていくためにも有効】

ただし、設計コンサルタントの活用はいくつかの注意が必要であり、選定する会社次第で大規模修繕工事成功が決まるといっても過言ではありません。

設計コンサルタント会社の選定

設計コンサルタントの重要性

設計コンサルタントの役割

マンションで大規模修繕工事を計画する場合、専門知識を持たない理事会で必要な仕様の判断や適切な施工会社を選定することは非常に困難です。

建設業に従事し、専門知識を持つ専門委員会を立ち上げて対応するケースもありますが、理事会及び委員会での大規模修繕工事の検討を総合的にサポートし、大規模修繕工事を成功に導くことが設計コンサルタントの役割です。

 

設計コンサルタントに求められる能力

新築工事と異なり、大規模修繕工事では多くの区分所有者が住みながらの計画立案となるため、設計コンサルタントに求められる能力も多岐に渡ります。

必須となる能力は下記です。

  • 大規模修繕工事に必要な専門知識
  • 理事会及び専門委員会の運営能力
  • 専門知識のない方へ伝えることの出来る説明能力及び資料作成能力
  • 多くの意見を集約し、一つの答えを出す合意形成能力

一つずつ解説します。

  • 大規模修繕工事に必要な専門知識

大規模修繕工事の設計監理は専門知識が求められる分野です。

稀に「大規模修繕工事はただの化粧直しであり、一級建築士は必要ない」というような主張をされている方を見かけますが、専門知識は必要です。

主に

  1. 各種仮設物等の知識
  2. 足場やゴンドラに関する知識
  3. コンクリート補修に関する知識
  4. タイル補修に関する知識
  5. シーリングに関する知識
  6. 各種塗装に関する知識
  7. 各種防水に関する知識
  8. 工事の円滑に進めるための知識

などが考えられます。

新築工事と比較すると工種が少ないですが、それぞれ材料や工法についての知識の深さが異なるため、新築しか経験していない一級建築士では十分な知識を有していないことがほとんどです。

 

  • 理事会及び専門委員会の運営能力

大規模修繕工事の検討を行う場合、理事会や修繕委員会皆様と設計コンサルタントで月1回程度のペースで打ち合わせを行います。

この際、会議進行が上手でなかったり、自分の意見を押し付ける技術者ではスムーズに打ち合わせが進行しません。

また、管理組合の性質上、打ち合わせの記録を残しておく必要があるため、議事録の作成能力も必要となります。

 

  • 専門知識のない方へ伝えることの出来る説明能力及び資料作成能力

あたりまえの事ですが、管理組合の皆様は大規模修繕工事に関する専門知識を有していません。

理事会や修繕委員会で検討する際に、専門用語を多用したり、当日の欠席者が資料を見て全く理解出来ないようでは必要な能力を有していないと考えられます。

 

  • 多くの意見を集約し、一つの答えを出す合意形成能力

分譲マンションはビルなどの工事と異なり、多数の区分所有者がオーナーとして存在します。

当然多くの意見が出され、どの意見を採用するべきか、様々な観点から優先順位を付けて判断することが理事会や修繕委員会の皆様に求められます。

この判断をする際に、判断材料となる資料、情報を開示する手法などを提供することが必要となります。

設計コンサルタントの能力として非常に重要で、これが出来なければ居住者の理解が得られていない工事となり、不満が残る可能性があります。

 

設計コンサルタント導入の効果

適切な設計コンサルタントを導入した場合、管理組合としてのメリットは非常に大きいと考えられます。

想定できる効果は下記です。

  • 第三者の調査診断による適正な工事時期の判断
  • 合意形成が図られ、居住者の理解が得られた上で大規模修繕工事が実施できる
  • 設計事務所による適切な設計仕様の設定
  • 適切な競争入札による工事費の削減
  • 第三者のチェックによる高品質な工事及び不要な工事の削減

但し、昨今では適切な設計コンサルタントを選ぶことは業界知識を有しない状態では非常に困難となっています。

 

設計コンサルタントの選定での失敗例

設計コンサルタントの選定は専門知識が必要であり、管理組合だけで行うことは非常に難しいといえます。

失敗例を含めてご紹介します。

 

専門能力がない会社を選定してしまった

何度か記載していますが、大規模修繕工事の成功には専門能力が必要です。

設計コンサルタント会社は過剰な競争が一般的となっており、営業スタッフなどによる【プレゼンテーションだけ】が上手な会社が非常に多く存在します。

ここの見極めを失敗し、全く専門能力のない設計コンサルタント会社を選定してしまい、不満足な仕様、理解の得られない工事になった事例は多くあります。

 

不適切コンサルタントを選定してしまった

昨今、国交省が平成29年に通知を出したとおり、特定の施工会社が受注する様に工作を行い、受注の見返りとしてリベートを受け取る【不適切コンサルタント】の存在が指摘されています。

※以下参考リンク

国土交通省 設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について

不適切コンサルタントであるかどうかの見極めは非常に難しく、業界知識のない方では判断がつかないといえます。

このようなコンサルタントを選んでしまうことにより、工事費がリベートを含んだ工事費となり、施工費用が高止まりする可能性があります。

実数精算金額のチェックが甘くなり、不要な工事費を支払うことになる

大規模修繕工事では、足場を組んで確認しないと数量がわからないタイル補修工事やコンクリート補修工事は実数精算方式が採用されています。

これはあらかじめ設計数量で見込んでいた数値に対し、足場設置後に現地確認をして算出した数量を比較して精算する方式です。

施工会社はこの数値を多く算出して、工事費を増額させる方向で進めることが多いため、これらの数量をチェックして、現地と下地図に相違がないことや、嘘の申告をしていないか確認することは設計コンサルタントの役割として非常に重要です。

ところが、前述した専門能力のない会社や不適切コンサルタントを選定してしまうことにより、甘いチェックや癒着による数量水増しが発生して、不要な工事費を支払うことになるケースがあります。

 

まとめ

上記のとおり、大規模修繕工事の成功には、誠実で優秀な設計コンサルタントの活用が不可欠です。

設計コンサルタント会社の選定から工事の完成までには通常2年以上の期間を必要とします。

一番最初に行う、【設計コンサルタント会社の選定】で失敗した場合、管理組合としても損失は大きく致命的なものになります。

MRCは少人数の会社であるため、大規模物件の総合コンサルティングはお断りしています。

但し、これまでコンサルタントとして、多数の超高層マンション(20階建)や大規模物件(500戸以上)のコンサルティングを行った経験から設計コンサルタント会社にどんな能力が必要か熟知しています。

一度ご相談ください。

大規模修繕工事・長期修繕計画策定等でお悩みの管理組合様はお気軽のお問い合わせください

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